2013年6月15日 (土)

私の「似顔絵物語」

先日ウェルカムボードを制作するにあたり、参考にとデザイン関連、似顔絵関連の本を図書館で探していましたら、「似顔絵物語」(和田誠著)に出会いました。

借りて読んでみると、これがまあ面白くて。
イラストレーター・デザイナーである著者が、似顔絵というものに出会ってから、似顔絵に関して体験したさまざまなことについてのエッセイです。

何様かと思われるでしょうが、共感することが多くて、感動してしまいました。

そして、私も自分自身と似顔絵との歴史を思い出すようになりました。

私は小さいころからマンガを描くのが好きでした。
「絵」じゃなくて「マンガ」を描いていました。
藤子不二雄と手塚治虫に影響を受けていたので、主にそんな絵柄でひたすらオリジナル漫画をノートに描いていました。
小学生までは兄弟にしか見せていませんでしたが、中学生になると学校で友達に見せるようになり、「今日はどこまで進んだ?」と回し読みされるくらいでした。
この頃までは、似顔絵は描いたこともありませんでした。

まずひとつのきっかけは、テレビでした。中学三年生の時から、猛烈にダウンタウンが好きになり、彼らが出るテレビ番組を狂ったように見る毎日。

で、ある日「彼らを描いてみよう」と思ったんですね。
私は当時「夢で逢えたら」というコント番組が凄く好きだったので、ダウンタウンだけじゃなくウッチャンナンチャンと野沢直子と清水ミッちゃんも描いて、なんだかよい出来だったのでハガキに清書して、地元のタウン情報誌に送ってみたんです。初投稿。

翌月、発売されたタウン情報誌を見ると…真ん中にどどんと大きく私の絵が…!
大賞に選ばれていました。

これで非常に調子に乗りまして、高校生になってからは毎月投稿するようになり、出したものは毎回載るようになりました。
内容は、ほぼ毎回ダウンタウンの似顔絵。
雑誌の切り抜きを集めて、それらをながめてレイアウトとネタを考えて描く…という大好きな人たちをずっと見ていられるので至福の作業でした。
なので、今でも何も見ずに(当時の)ダウンタウンを描けます。ウンナンも足してみた。

Dtun
そして、タウン情報誌に載ってることは同級生も知っていたので、その流れで体育祭のクラス応援旗の制作主任に選ばれました。
クラスの応援旗は3メートル四方くらいの大きな布に、クラス名を書けばあとはどんな絵柄でもよかったのですが、私の勘としてはやはりクラス担任をネタにすればウケるだろうと考えました。
結果できたのは、担任を木枯らし紋次郎の恰好で走らせ、後ろに見送る嫁?として女装させた副担任をちょこっと入れる、というもので、応援旗も審査があるんですけど嬉しいことに優勝することができました。

その後三年間ずっと応援旗係で、いずれも担任、副担任をネタにしたデザインにして優勝することができました。

あと、校誌の「今年赴任された先生紹介」のページで何人かの先生の似顔絵を描くことになりました。一人は校長先生(緊張)、そして自分のクラスに授業来ている国語の先生(女性)と保健体育の先生(男性)の三人。
校長先生はリアルっぽく、保健体育の先生はデフォルメして、国語の先生はその中間くらいで、三人とも絵柄を少し変えて描きました。

保健体育の先生は好きな先生(淡い初恋)だったので、心の中で相当浮かれてました。
芸は身を助けるって本当だなあ…なんて思いながら…
あ、この先生、私のデフォルメ似顔絵を気に入ってくれて、自分のプライベートな年賀状にイラストを使ってくれたんです。これもまたすごく嬉しかった。

さて、ダウンタウンと学校の先生の似顔絵が私の第一歩でしたが、大学に進学してから妙な形で似顔絵に接することが増えました。

私の入った合唱サークルは大人数で、毎年「住所録」という名の自己紹介本が春に作られます。それぞれのページにはまず「自画像」的な欄があります。
ここに、年々私が似顔絵を頼まれることが増えまして。
最終学年の時は、あるパートのある学年のメンバーが全部私の似顔絵、ということもありました。

毎年担当するメンバーもいたり(偶然にも相方もそうだった)、四年間で「似顔絵」を描くことに関してすごく鍛えられました。
そこそこウケていたので調子に乗ってたのもあるんですけど。すみません…

私は、似顔絵を描くときはその人をある程度知っていないとかけません。
「どういう表情がいちばんその人らしいか」を考えます。

和田誠さんの著書で、「似顔絵を描くことに慣れてくると、内面の方もいつの間にか描いている」という一節があるのですが、本当にそうだと思います。そのひとらしい表情、というのはいわゆる内面も描いていることになりますよね。

あと、描きやすい顔、描きにくい顔は確かにあります。
顔が濃いから描きやすい、という訳ではありません。
難しいんですけど、どうしても描けない顔があります。
実は、前述の住所録でも、頼まれたのに描けなかった人がいました。
ごまかして、全身像にしました…

そして興味深い内容がありまして、「描きにくい顔」があるのは知っていましたけど「似顔絵を認識できない人」というのが存在するということです。

その人自身の顔は判別できる、写真でももちろん判別できる、リアルな肖像画ならOK、でもデフォルメされた似顔絵だと、他の人から見てどんなに似ている絵だとしても、その人だと認識できない人が実際にいるのだそうです。

和田氏は、そのような人を「方向音痴」ならぬ「似顔絵音痴」と名付けています。
生活に支障がないから問題ない、とも…確かに。

さて長々書いてしまいましたけど、自分の絵柄の絵を描いているときも楽しいけど、似顔絵はまた別のところで楽しいな、ということです。

今も、好きな人たちを描いていると楽しい~

Photo
数をこなすと似ていく、というのもあります。
ユニコーンもフジファブリックも、最初の方に描いたの似てないですもん。
今でも志村氏は難しい。金澤氏も髪型でごまかしている。

Photo_2
これからもっともっとうまくなりたいなあ~

…以上、私の似顔絵物語でした。

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2011年12月 4日 (日)

風が強く吹いている

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(公式HPより)

天に与えられた“走る”才能をもった2人の若者が出会った。
致命的な故障でエリート・ランナーへの道を諦めたハイジと、ある事件から走る場を追われたカケルだ。ハイジはカケルこそが、密かに温めていた計画の切り札だと確信、壮大な夢への第一歩を踏み出す。
それは、同じ寮で共同生活を送る8人のメンバーと学生長距離界最大の華といわれる〈箱根駅伝〉出場を目指すこと。ところが彼らは陸上から縁遠い上、漫画オタクや25歳のヘビースモーカー、アフリカから来た留学生など、ユニークなキャラクターがそろっていた。

しかし、ハイジの緻密なトレーニング法と走ることへの信念、仲間への揺るぎない信頼が、皆を変えていく。

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半年以上前に見た映画を今頃レビュー。
なかなか考えや絵がまとまらず、見切り発車ですが。
長いですので、読みたい方だけ進んでくださいね。

原作は、三浦しおんの同名小説。

たまたま映画化が発表される前に知り、のめりこんで一気に読みました。
群像もの大好き、「挫折」からの「再生」ものが大好きな私にとっては大好物。

後に映画のキャストが発表された時に、頭の中に思い浮かべていた役者さんが二人ほど当たっていたのでびっくりでした。(カケルと王子)

さて、映画。
一言で言うと、どストレートで綺麗にまとめたなあ。という感想でした。

あの原作の量を二時間ほどにまとめること自体に無理があるのですが。

一番素晴らしかったのは、「天才カケルの美しい走り」がリアルに再現されていたこと。
あの走りは、それだけで構成などでいろいろ足りないところをねじ伏せて納得させる力がありました。
あと、その他のメンバーの走りも違和感がない。
これは、役者の皆さんの努力あってだと思います。

観終わってみれば、アオタケメンバーはあの十人以外では考えられないくらい、全員のキャラがぴったりとはまっていました。

王子…原作ではそこまで大きく取り上げられてないけど、映画では若干見どころ多かった?(ファンの欲目?)(私は中村くんの大ファンです…)
「ヘタレな美形」ぶりがよく表せてたかと思います。
王子はオタクだけど、古典漫画のオタクなのかな?

箱根本番でスタート直前にハイジに「鶴見で待ってて」と言った時の表情が良かった!

ムサ…「黒人が足が速いというのは偏見です」という名言を映像で見れてよかった~
ダンテさん、もう少し日本語が流暢ならもっと良かったけど、真面目なムサ感がぴったりでした。

ジョータ&ジョージ…原作を読んでいた時は、もっとシュッとした双子を想像していたのですが、実際斉藤兄弟が演じるのを見ると、天真爛漫ぶりが合ってるなあと思いました。
斉藤兄弟の兄、弟と城兄弟の兄、弟は逆なんですが、そのキャスティングもまた本人達のイメージに合ってるなと。
ジョージのお花畑顔走りがリアルで見れたのは笑えました。

神童…原作ではあまり明確に顔を想像できませんでしたが、映画の彼はなるほど、こういう感じか~と納得。映画での彼の見せ場はやはりあの電話。ぐっと来ました。

ユキ…勝手に浅越ゴエをイメージしてたんですが(キャスティングされるわけない)、イメージよりも繊細な感じのユキでした。それがまたぴったり!
ユキの家族のエピソードをせっかく出したんだから、走りの時も原作通りに家族を登場させたらいいのに!と思いました。個人のエピソードでは一番好きだったんですが。

ニコチャン…原作のイメージより、よっぽどイケメンでした!
ニコチャンてもう少し重要な位置にいるようなきがしたのに、見せ場が少なかったのが残念です。彼、イケメンだけど骨太な感じも合ってたので。
上のイラストでニコチャンが持ってるのは例の針金人形です。ユキにいやがらせ。

キング…病院でのカケルとのシーンがよかったですね。
立ち位置的にもつかみどころのない役だと思いますが、「つかみどころがない」っていうのがちゃんと出てた。

カケル…「陰のある天才少年」をやらせたらぴったりです!「バッテリー」の主役に選ばれた時からそう感じていたので、原作を読んでいるときも彼をイメージしていました。
とにかく、走りが美しい。体型も、フォームも惚れ惚れ。
林君がインタビューで、「カケルは過去の事件で挫折していなければ、普通に笑ういい奴だったんじゃないか、そう思って演じた」というようなことを言っていましたが、食事中に王子がマンガ読みながら寝落ちしたのを見た時の笑顔などに、それが出てた気がします。

ハイジ…小出ハイジ無くしてこの映画は無かったと言ってもいいくらい、ハイジでした。
皆がハイジに惚れていないとこの話は成り立たないのですが、選手とコーチと監督と寮母とを兼ねる小出ハイジは「(男どもが)惚れてまうやろ~!」と納得の演技。
ただ、足の故障で倒れるのは、ゴール前200メートルくらいでよかったのでは?と思います。(かなりの人がそう思うのでは)
あと、もっと原作のハイジのまぬけなところ(車の運転とか)のシーンを入れたらもっと人間味が出ていいのにな~と思ってました。尺の問題で無理だったんでしょうか。

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原作を先に読んで、映画を見て、再び原作を読むというのが一番良い楽しみ方のような気がします。

ちなみに上のイラストは、似顔絵というわけではなくて、原作と映画を見てのみんなのイメージ。
原作本(ハードカバー)の表紙にはかなわん。あれ大好き。

とにかく、よい作品でした。


 

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